アロマオイル(精油)のブレンドって?
アロマオイル(精油)は単体でも素晴らしい香りや作用がありますが、何本かをブレンドすることで深みがでて
精油が互いの作用を高めあうシナジー効果が出現します。
また、単体ではちょっと使いにくいアロマオイル(精油)もブレンドすることで、素敵な香りへ変身します。
ご自分の感性と感覚で世界に一つだけの香りを生み出してみましょう。
ブレンドレシピを考えるときの3つのポイント
ご自分のオリジナルのブレンド精油を作ってみましょう。
ブレンドレシピを考えるとき一番大切なのは、自分が心地よく感じるアロマオイル(精油)を選ぶことです。
例えばリラックスに良い精油としてラベンダーを勧められてたけれど、実際に嗅いでみると好ましくないと感じたとします。
好ましくないけれど、我慢してそれを使うことは逆にストレスとなります。
まずは、ご自分で嗅いでみて心地よいと感じたアロマオイル(精油)を選んでください。
それを踏まえながら、ブレンドレシピを考えるときの3つのポイントを紹介します。
Point.1 香りのノート
香りには「ノート」と呼ばれるアロマオイル(精油)の揮発スピードに沿った分類があります。
よくピラミッド型になっている図を目にされたことがあるかと思います。
ピラミッドの一番上は「トップノート」、その次に「ミドルノート」、
そして底辺に来るのが「ベースノート」となります。
★精油の比率は、揮発しやすいトップにくる精油を多めに、香りが長く続きやすい重めの精油がくるベースは少なめにします。
Point.2 香りの相性
アロマオイル(精油)には、7つの香りの系統があります。
柑橘系・フローラル系・ハーバル系・樹木系・樹脂系・スパイス系・エキゾチック系
〇同じ系統の香りや、図上で隣り合う系統は相性が良いです。
★ブレンドは「スイカに塩」です。意外な組み合わせが、絶妙な香りのバランス、多彩な香りになります。
Point.3 香りの強弱
アロマオイル(精油)には、少量でも強く香るものもあれば、ほのかに香るものもあります。
強く香るアロマオイル(精油)を使用するときは、少量になるように注意しましょう。
多く入れ過ぎてしまうと、その香りしか感じられなくなってしまいます。
〇香りの強いもの
イランイラン、ジャーマンカモミール、ジャスミン、ネロリ、ペパーミント、レモングラス、ローズ、ローマンカモミールなど
〇香りが弱いもの
オレンジスイート、レモンなどの柑橘系、サンダルウッド、ティートリーなどの樹木系、フランキンセンスなどの樹脂系
★強い香りの精油はトップ、ミドル、ベースにかかわらず少なめにすると、全体のバランスが良くなります。
いつもは使わない精油や苦手な精油をお手元の精油とブレンドし、黄金比率の配分を見つけて香りを楽しまれてはいかがでしょうか?
目的別基材
ご自分でブレンドした香りを、空間にひろげて楽しむシンプルな使い方もとても素敵ですが、基材(※)を使いことで、もっと日常の様々なシーンで楽しむことができます。
基材とは?
アロマオイル(精油)は精製の過程で成分が濃縮され高濃度になり、原液のまま肌に触れると刺激になる場合があります。基材(きざい)は精油を安全・手軽に希釈してお使いいただくためのサポートアイテムです。
ここでは、目的別に楽しむための基材をご紹介します。
〇入浴剤としてバスタイムを楽しみたい時の基材
バスベース…精油を乳化させ、水に溶けるようにするためのアロマバス用乳化剤です。ローズマリーウォーター配合でお肌にやさしく。バスタイムだけでなく、アロマクラフトの材料にも使用できる一石二鳥のアイテムです。
バスタイムにアロマの香りを楽しめる入浴剤を作ることができます。温かいお湯につかりながら、香りを感じることで、心身共にリラックスができます。
〇カーテンやシーツのファブリックスプレーを作りたい時の基材
ディスペール…精油を乳化させ、速やかに水に溶けるようにしてくれる乳化剤です。水分を使用する※アロマクラフトには乳化剤はかかせません。天然素材から作られ、1本あれば精油の使い方が大きく広がります。
ファブリックスプレーを作って、カーテンやシーツの消臭や香りづけができます。
精油は水に溶けない?
アロマオイル(精油)は一部の種類を除いて、水に溶けないものが多く、そのまま水にいれても表面に浮く、または沈んでしまいます。そのような性質を考慮して、アロマテラピーでは植物油や塩、重曹、グリセリンなどの乳化剤で希釈して使いやすくします。
〇お掃除などハウスキーピングに使いたい時の基材
重曹…ドラッグストアなどで販売されているお掃除用を使用します。
重曹にアロマオイル(精油)と水を入れて、拭き掃除に使えます。
〇スキンケアしたい時の基材
クリームベース…しっとりとした仕上がりにしたいときに
ジェルベース…さっぱりとした仕上がりがお好みの方や夏場に使用するときに
どちらもアロマオイル(精油)やキャリアオイル、フローラルウォーターと混ぜるだけで簡単に手作り化粧品を作れます。
【アロマバスのための乳化剤】バスベース(アロマバス用乳化剤)200mL
【精油を乳化させ水に溶けるようにするための乳化剤】ディスペール(アロマセラピー用乳化剤) 30mL
【精油と混ぜるだけでオリジナルクリームが作れる】クリームベース50mL
【精油と混ぜるだけでオリジナルジェルが作れる】ジェルベース100g
アロマレシピを作る
ご自分が作りたいアロマレシピが決まったら、実際にブレンドしてみましょう。
レシピのテーマを決める
まずは、レシピのテーマを決めていきます。
実際によく参考にされるテーマを掲載しておきます。
よくあるブレンドテーマ
- 寝つきをよくするためリラックスしたい
- 仕事中の気分転換に
- 肩や腰の疲れを取りたい
- 脚の疲れをいやしたい
- ヘアケア用のブレンドを作りたい
- マスク用のスプレーを作りたい
- ソファーやカーテン、シーツなどのリネン類に香りづけをしたい
- バスタイムをいい香りで楽しみたい
- アロマキャンドル用のブレンドを作りたい
ブレンドするアロマオイル(精油)を決める
最初にメインとなるアロマオイル(精油)を決めます。
メインになるアロマオイル(精油)は、目的(テーマ)に合ったものを選びます。
メインがトップ・ミドル・ベースの中からいずれのノートにあたるのかを確認して、次に足りないノート・サブとなるアロマオイル(精油)を選んで足していきます。
サブとなるアロマオイル(精油)はメインと相性がよいものを選びます。
「7つの香りの系統」の図をみて、メインと隣り合う系統を参考にすると選択しやすくなります。
また、香りが強いものは1種類だけにしておくと、他とのバランスがとりやすくなります。
次に具体例として、寝つきをよくするためにリラックスしたい香りのブレンドを作ってみましょう。
このブレンドは「リラックスしたい」が目的(テーマ)となります。
そこで、メインにはリラックスするための候補をさがします。
メインの香りを選ぶ時に考えるべきポイントは、リラックスができない原因は人それぞれに異なるということです。
例えば、『仕事が忙しく気が高ぶっている状態』と、『50代前後の女性特有のゆらぎによって眠れない状態』とでは原因が異なりますので、メインにすべきアロマオイル(精油)は異なります。
『仕事が忙しく気が高ぶっている状態』なら、心身共にリラックスできるようなアロマオイル(精油)を、
『50代前後の女性特有のゆらぎによって眠れない状態』なら、ホルモンバランスを調整してくれるアロマオイル(精油)をメインにすると良いでしょう。
ここでは、『50代前後の女性特有のゆらぎによって眠れない状態』を目的例として、
ブレンドのメイン=目的(テーマ)となる
【ホルモンバランス調整し、なおかつ心地よい香りでリラックスへと導いてくれるようなアロマオイル(精油)】
を選びます。その為の手順を記載します。
- まずはメインとなる精油を、「女性のゆらぎにおすすめの精油」から選びます。
候補例:ゼラニウム、クラリセージ、ローズオットー、サイプレス、ネロリ、イランイラン、ジャスミン、ジュニパーベリーなど
- 更に、選んだ候補の中から「リラックスへと導いてくれる」もの選びます。
候補例:ゼラニウム・ネロリ
- 次に、ゼラニウムとネロリがトップ・ミドル・ベースいずれのノートにあたるのかを確認します。今回はどちらもミドルノートです。
- メインはミドルノートでしたから、サブとなる精油はそれ以外のノートである、トップノートとベースノートの中から選びます。
「7つの香りの系統」の図を参考にして、メインと相性の良い香りをサブとして選びます。ここでもご自分が好ましく感じる香りを選びましょう。
今回は、メインがフローラル系ですので、相性の良い柑橘系やエキゾチック系で選びます。
柑橘系のトップノート:レモン
エキゾチック系のベースノート:パチュリ
基材を決める
上記のブレンドで枕やシーツ、空間に香りを漂わすためのアロマスプレーを作成します。
精油と水(精製水)が混ざるようにするため、ディスペールや無水エタノールを使用します。
配合比率、滴数を決めブレンドする
それぞれのアロマオイル(精油)の量は、揮発性の高いトップノートが多くなるように、ミドルノート、ベースノートの順に量を調整します。
各アロマオイル(精油)のついたムエット(試香紙)をトップ、ミドル、ベースの順にずらしてまとめて持ち、ムエット(試香紙)をはじきながら、香りを確かめます。
ムエット(試香紙)で香りが決まったら、実際に滴数と比率を出していきます。
一般的には、
トップノート > ミドルノート > ベースノート
のように、トップノートを一番多くし、ミドルノート、ベースノートの順に少なくなります。
比率的には、
トップノート |
20%〜60% |
ミドルノート |
10%〜30% |
ベースノート |
5%〜20% |
アロマオイル(精油)自体の香りの強さも考慮しながら、比率や滴数を決めてください。
トップノート |
レモン |
60% |
10滴 |
2.5mL |
ミドルノート |
ゼラニウム |
20% |
4滴 |
1mL |
ミドルノート |
ネロリ |
10% |
2滴 |
0.5mL |
ベースノート |
パチュリ |
10% |
2滴 |
0.5mL |
※滴数合計20滴、容量合計は5mLで計算した場合。
完成したものをムエットにつけて、香りを確認します。
この時に、思っていた香りと違う場合は、再度量を調節して作り直しましょう。
日常の中で楽しむブレンドレシピをご紹介
ブレンド精油でアロマスプレーを作る
作成したブレンド精油(20滴)とディスペール(10mL)をよく混ぜ乳化させます。
混ざったら精製水(50mL)を加え、スプレー容器へ移してよく振り混ぜれば出来上がりです。
こちらでも紹介しています
気になる枕やシーツのニオイに吹きかけて使えるピローミストの作り方を写真つきで紹介しています。シベリアモミとブラックスプルウスを使った森のような澄んだ香りに、柚子のフレッシュでどこか懐かしい香りが気持ちを落ち着けてくれます。 >こちらから
ブレンドする際に必要な道具・注意点
【必要な道具】
- ムエット(試香紙)・・・アロマオイル(精油)をつけて香りを試す。
- ココット・・・ブレンドする量が決まったらアロマオイル(精油)を入れる。
- 使い捨てスポイト・・・各精油の容量を計測したり、ブレンドした精油をガラス瓶に入れ替えるときに使用する。
- 精油用遮光ガラス瓶 ・・・精油の品質を保つ、遮光性の高い保管用容器。
【注意点】
- アロマオイル(精油)の量は、トップノートを多めに、ベースノートは少なめを意識しましょう。
- ただし、香りが強いものは、ノートにかかわらず、少なくします。
- アロマオイル(精油)を測る時は滴数で構いませんが、より正確にするには、目盛りがついた使い捨てスポイトが便利です。
- 使い捨てスポイトは、使用するアロマオイル(精油)と同じ数を準備します。